1. 宅建業免許とは

不動産業(宅地建物取引業)を営むには、都道府県知事または国土交通大臣の免許を取得しなければなりません。これは土地・建物という国民の大切な財産を扱う業種であり、取扱額も高額であるためです。

2.宅地建物取引業

  1. 自らが不動産を購入したり、所有している不動産を売却・交換すること
  2. 他人の所有する不動産の売買・交換・賃貸の「代理」をすること
  3. 他人の所有する不動産の売買・交換・賃貸の「媒介」をすること

※自らが所有する不動産を賃貸する場合は、免許は必要ありません。

3.宅建業免許の区分

  • 1つの都道府県内に事務所 → 都道府県知事免許
  • 2つ以上の都道府県にわたる場合 → 国土交通大臣免許

宅建業免許を受けるための要件

【要件1】事務所の設置

事務所とは、継続的に業務を行うことができる施設のことをいい、他の業者や個人の居住スペースから独立していなければなりません。法人の場合には、登記簿謄本に記載されている本店が主たる事務所となります。

【要件2】専任の宅地建物取引士の設置

事務所には、従業員5名ごとに1名以上の宅地建物取引士を専任として配置しなければなりません。宅地建物取引士は、他の業者との兼務や兼業は禁止されているので注意が必要です。

【要件3】代表者の常駐

代表者や代表取締役は、代表者として契約締結などを行うため、事務所に常勤する必要があります。(代表者が常勤できない場合は、代表権行使を委任した使用人を指定すればOKです。)

【要件4】欠格要件に該当しないこと

代表者・法人の役員・代表権のある使用人・専任の宅地建物取引士が欠格自由に該当しないことが必要です。簡単に言うと、過去に悪いことをしていないか、破産していないかなどをチェックするということです。

【要件5】営業保証金の供託または保証協会への加入

不動産は高額な商品であるため、取引相手に損害が生じてしまった場合に、その損害補填に備える必要があります。そこで宅建業を営もうとするものは、事前に一定の金額を保証金として供託しておき、万が一、取引相手が損害を被ったとき、この補償金から支払うことで取引相手を保護します。
この保証金は非常に高額があるため、開業当初で十分な資力がない場合は、保証協会に加入し、分担金(弁済業務保証金分担金)を保証協会に預けることで供託の代わりにすることも可能です。これは保証協会が代わりに供託をすることで、小さな不動産屋さんも開業しやすくするための制度です。

供託する場合の保証金の額
  • 主たる事務所(本店) → 1,000万円
  • 従たる事務所(支店) → 500万円/店
保証協会への加入の場合の分担金の額
  • 主たる事務所(本店) → 60万円
  • 従たる事務所(支店) → 30万円/店

★ワンポイントチェック
本店で宅建業を行わなくても、支店で宅建業を営むと本店も宅建業の「事務所」となります。この場合、本店には営業保証金の供託および専任の宅地建物取引士の設置が必要になるので注意が必要です。